安定型最終処分場に埋め立てられるのは、「安定5品目」——廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、がれき類だけです。

「品目としては5品目に該当するのに、実際には受け入れてもらえない」ケースが実務では頻発します。この記事では、その境界線を整理します。

安定5品目一覧と「落とし穴」

品目受け入れ可の例受け入れ不可になる例
廃プラスチック類梱包フィルム、パイプ、成形くず食品・油分の付着したもの、自動車等破砕物(シュレッダーダスト)
ゴムくず天然ゴムくず油分付着のもの
金属くず鉄骨くず、配管くず切削油の付着した切粉、鉛管・鉛板等の有害性のあるもの
ガラス・コンクリート・陶磁器くず板ガラス、タイル、コンクリート二次製品くず石膏ボード(埋立禁止)、鉛含有ブラウン管ガラス
がれき類コンクリート破片、アスファルト破片有機物・木くずが混入した解体混合廃棄物

共通の考え方は「雨水に触れても腐らない・溶け出さない」ことです。品目自体が5品目でも、付着・混入があれば安定型では受け入れられません。

なぜ厳格なのか:安定型には遮水シートがない

安定型最終処分場は、3種類の処分場の中で唯一、遮水工や浸出水処理施設を持ちません。雨水は地面に浸透していく構造のため、腐敗する物や溶出する物が混ざると、そのまま地下水汚染につながります。

そのため法令は、次の2つの検査を義務付けています。

  • 展開検査:搬入された廃棄物を荷降ろし時に広げ、5品目以外の混入がないか目視確認する
  • 浸透水の水質検査:処分場内に浸透した水を採取し、汚染がないか定期的に検査する

過去に安定型処分場での硫化水素発生事故や地下水汚染が問題化した経緯から、石膏ボードの埋立禁止(2006年〜)など規制は段階的に強化されてきました。

排出事業者の実務ポイント

  1. 分別を現場で徹底する:混合廃棄物にしてしまうと安定型に出せず、処理費の高い管理型・焼却ルートになります。分別の徹底がそのままコスト削減です
  2. 付着物に注意:容器・フィルム類は内容物を除去してから排出する
  3. 契約書の品目記載を具体的に:「廃プラ一式」ではなく性状まで業者と共有する(WDS活用)
  4. 迷ったら処分業者に事前確認:受入基準は処分場ごとに異なります

処理費の目安感

一般に、埋立処分の費用は安定型のほうが管理型より安価です(管理型は浸出水処理などの維持管理費がかかるため)。分別によって安定5品目を安定型ルートに乗せられるかどうかは、廃棄物コストを左右する分岐点になります。

具体的な相場は処理費用の記事で順次公開予定です。


参照法令:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第15条、同法施行令 第6条(埋立処分の基準)、平成18年環境省令(石膏ボード安定型埋立禁止)

よくある質問

安定5品目とは何ですか?

廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、がれき類の5品目です。雨水に触れても腐敗・分解せず、有害物質が溶出しない「性状が安定した」廃棄物として、安定型最終処分場への埋立が認められています。

廃プラスチックなら何でも安定型に埋められますか?

いいえ。食品残さや油分など腐敗性・溶出性のあるものが付着したプラスチックは受け入れられません。また自動車等破砕物(シュレッダーダスト)は安定型への埋立が禁止されています。

石膏ボードは安定型に埋められますか?

埋められません。石膏ボードは分類上「ガラス・コンクリート・陶磁器くず」ですが、埋立時に硫化水素が発生するおそれがあるため、安定型への埋立が禁止されており、管理型最終処分場で処分します。

本記事は2026-07-12時点の法令・公開情報にもとづく一般的な解説です。個別の判断は、管轄の都道府県・政令市または専門家(行政書士・弁護士等)にご確認ください。